2017年10月10日火曜日

2017.10.8-9 尾瀬 奥利根水系楢俣川前深沢

正確には尾瀬ではありません
奥利根水系の楢俣川から至仏山をめざす

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10月の3連休に恋ノ岐川の遡行を企画しては雨で計画倒れになること数年
今年もやっぱりダメだったので前深沢へ華麗なる転進です

終電ひとつ前の電車で水上駅へ
始発の新幹線で行っても間に合うのですが寝坊したら大変なのでステーションビバーク
ベンチの寝心地がとてもよい、これからは土合駅より水上駅の時代ですな

朝になって空の色が濃くなってくると水上駅も賑わってきました
谷川岳ロープウェイ行きのバスは満員御礼、ぎゅうぎゅう詰めです
わたしたちが乗るのは湯の小屋行きのバスでこちらはがらーんと空いております


終点の湯の小屋バス停下車
照葉荘の脇から笠ケ岳に続く登山道をゆく
































至仏山から鳩待峠に下山する時に通過する笠ケ岳への分岐
いつも歩いてみたいなあと思いながら歩けずにいたルートのひとつ
あまり歩く人もいないのかもしれません、踏み跡がとても薄い登山道でした


車道から見えた山影は上州武尊でしょうか































ゲートを越えてならまた湖沿いをゆく林道へ
写真右手に見える梯子を登ってゆくのが笹ケ岳に続く登山道












































2時間超の林道歩きでしたが湖畔沿いとゆうこともありそこまで苦にならず
ならまた湖ではダムの調査中なのか2艘のボートが浮いていました
湖に別れを告げると林道は草木が生い茂る荒れた様相となってゆく
沢をいくつか越えてそろそろ入渓点が近くなってきたなあとゆうところで準備をします

が、しかし、下りられそうだなあと思って下りてみてもなかなか本流まで下りられず・・・
進んでみたり戻ってみたりあーだこーだしているうちに時間がどんどん過ぎてゆく
もっと進んだほうがよいのかもと思って歩いてゆくと顕著な分岐に到着
トポでゆうところの左の踏み跡のほうがはっきりしている?
もう少し我慢して進めばよかった、TOMYはちょっとせっかちなのよ~


狩小屋沢の徒渉点にはご丁寧にロープまで張ってあった






























楢俣川の本流を徒渉して右岸の踏み跡を矢種沢出合まで
この踏み跡も登山道と呼べるほどはっきりしている






























時すでに14時近く、ようやく楢俣川本流より入渓
 









































前深沢出合に到着
本流に懸かる4M滝を見送って右に入ってゆく































中深沢出合に懸かる12M滝を見送る












































明るく開けた楢俣川本流に比べると前深沢は薄暗くてしかもけっこう荒れている
なんだか想像と違うなあと思いながら遡行していると12M滝に到着
トポによるとその手前にビバーク適地があるとのことですが、え、どこ?

おそらくここのことを言っているんだろうとゆうちっちゃな中洲みたいなところで幕営
少し戻って他にないか探してみたけど沢の幅が狭いこともありどこもいまいち
わたしたちが張ったところも大きな石がごろごろしていましたが・・・


住めば都、のはず




































久しぶりの焚き火を囲んで夕ごはんはモツ鍋

節操なく燃える炎をいつまでも眺める夜
22時就寝、眺め過ぎた・・・

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翌朝は4時起床
さんざんに言っていた幕営地でしたが驚くほどよく眠れた

住めば都って昔の人はほんとにうまいこと言ったもんです
朝も焚き火を熾そうとトライしたのですが残念ながら火がつかず


予定よりだいぶ遅れて6時半出発
すぐに現れる12M滝はバンドに沿って右から左へ







































朝いちのシャワークライミングですっかり目が覚めました
渓相も荒れが影を潜めてナメやらトイ状の滝やら紅葉やらよいかんじになってきた































































































トイ状の滝の上段はちょっと悪そう
TOMYは無事突破しましたがわたしは巻きました









































2時間ほどで40M大滝に到着







































せっかく50Mのシングルロープを持ってきたのでロープを出すことに
水流右側の乾いたところをTOMYがトップで登ってゆきます
けっこうランナウトしながら登ってゆくのでハラハラしながらのビレイ・・・
中間部が悪かったのでトライするまでに勇気チャージが必要だったようです

わたしはトップロープでヌンチャクとハーケンを回収しながら登る
1ピン目と3ピン目は残置を利用しましたが2ピン目はハーケンを打ちました
セカンドの核心はハーケンの回収・・・意外と強く打たれていて10分くらいカンカンやっていました
大工になった気分、残置することなく無事に回収できてよかったです
そんなこんなで大滝の登攀に1時間半近くかけてしまいました


それでもだいぶ登ってきました
太陽もすっかり高くなり谷にも陽射しが届くように













































二俣はチョックストーン滝がある右俣へ



































源頭部が近づいてくると傾斜がきつくなるも明るく開けたゴーロとなる
時々ハイマツ帯にさえぎられながらもおおむね快適な詰め
稜線をめざして岩をぐるりとまわりこむと至仏山から少し小至仏山よりの登山道に出ました


ひと休みしたら至仏山へ
尾瀬ケ原の向こうに燧ケ岳が鎮座しています
 





























最後にぐるりとまわり込んだ大岩をあとにする
はるか遠くにならまた湖が見えます










































大賑わいの登山道をするりすり抜け鳩待峠に下山
鳩待峠はさらに大勢の登山者やハイカーであふれていました

運転手さんの尾瀬あるあるを聞きながら乗合タクシーで戸倉へ
お風呂は結局いつもの尾瀬ぷらり館、たまには違うところに行ってみたいもんです
路線バスで沼田駅、上越線と高崎線を乗り継ぎ帰路につく

ひとつの季節が終わった

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とても美しい渓相の沢。特に大滝を越えたあたり、太陽の光を浴びたナメはきらきらと美しかったです。下流は予想以上の荒れで少し期待はずれかなとも思いましたが、大滝の登攀と上流の美しさがそれらを払拭してくれました。大滝の登攀はロープがあると安心です。大滝以外の滝はたいてい登れます。2日目は登攀や詰めも含めてなかなかトポのCT通りに遡行できず、だいぶ時間がかかってしまいました。長い長い林道歩きのアプローチを考えると沢旅とゆう言葉がふさわしく、ふり返ってよい沢旅だったと思わせてくれるそんな沢です。


参考タイム
1日目:湯の小屋(1:00)ゲート(3:00※ルートロスあり)狩小屋沢徒渉点(0:30)矢種沢出合(0:30)前深沢出合(1:00)幕営地
2日目:幕営地(1:45)大滝(1:20)大滝上(3:00)至仏山(1:40)鳩待峠
参考グレード 3級/III+ ヤマケイ入門&ガイド 沢登り
同行者 TOMY