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登山をはじめたばかりの頃は甲斐駒なんて軟派な山だと思っていました
キムタクみたいな、どうせオレんとこ来るんだろ?みたいな
あなた黒戸尾根を登ったことあるの? 黒戸を登ったら彼のこと軟派だなんて言えないから!
縦走中に出会ったお姉さんに軽い気持ちで話したらそう返されました
そんなこんなでやって来ました黒戸尾根です
前夜発の高速バスに揺られること数時間
午前3時の真っ暗な竹宇の駐車場に放り出されました
4時半頃ようやく出発
林道を歩いていると東の空がだんだんと明るんできた
登り一辺倒とはまさにこのこと
横手分岐を過ぎたあたりから急登が続く
だいぶ登ってきました
鳳凰三山や八ケ岳がきれいです
刀利天狗に到着
あちこちに石碑や石仏が残り信仰の山であることをうかがわせる
梯子や鎖場を越えてゆきます
五合目小屋になかなかたどり着かず焦燥感に駆られながら歩き続ける
ようやく小屋が見えて五合目小屋に着いたと思ったら有人小屋・・・七丈小屋?
抜きつ抜かれつしていたおっさんに尋ねると五合目小屋はもうとり壊されたとのこと
そういえば途中に小屋の跡地みたいのがあったなあ
わたしの地図が古かったんですね、とゆうか完全なリサーチ不足です
あと1時間くらい歩くつもりだったので少し拍子抜けしてしまう
確かにきつかったけど黒戸尾根に対して過度に想像が膨らんでいたことも否めません
なにはともあれテント場の受付をします
ザ・南アルプスの小屋番とゆうかんじの小屋番さん
テント場は少し登ったところにあります
平らで風もなく申し分ないテント場です
石はありませんが自由に使えるぶっといペグがたくさんあります
水はもちろん豊富だし南アルプスとは思えないほどトイレがきれい
幕営している人も少なかったので快適に過ごせました
今回はサーマレストがなくても熟睡できるかの実験を兼ねています
銀マットの2枚重ねで外づけ禁止と軽量化を図ります
これだけ平らだとまったく問題なさそう
午後になるとガスがあがってきました
南アルプスの午後はどうしても天気が崩れやすい
抜きつ抜かれつのおっさんは空身で甲斐駒に登ってきたけど展望がなかったと残念そう
いろいろ事情はあるんでしょうけど明日の朝にでも登ればいいのになんて思ったり
眺めもないので18時頃就寝
夜中に目が覚めると月が明るい
きらきらとゆらめく甲府盆地の夜景
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2時起床のち二度寝
次に目が覚めたら2時40分だった
なんとか4時過ぎに出発
しばらくすると金峰山から朝日が昇る
八合目御来迎場から朝日に染まった甲斐駒ケ岳
わたしも新婚旅行で南北アルプス縦走したいなあ
これから歩く早川尾根
富士山と北岳の頭がちょこんと見えます
剣が突き刺さった岩や奇岩が現れる
だいぶ山頂が近づいてきました
山頂直下の石碑群
こうゆうものが至るところにあります
甲斐駒ケ岳に到着すると抜けるような青空が待っていた
甲斐駒ケ岳は河西くんとはじめて一緒に登った山
あの時はガスでなにも見えなくてやっぱり山頂は静かだった
セルフタイマーで何枚も写真を撮ったっけね
目を凝らすとあの日のふたりが見えるような気がした
また晴れた日に来ようねって言ってたけどそれは結局叶いませんでした
思い出は山においてゆきます
岩稜ではないほうの道を下る
せっかくなので摩利支天まで足を伸ばします
とても展望のよいところ
しかし戻ろうとして帰り道を見失う
登山道は見えているのにハイマツ帯の入口がわからない
うろうろしながらだいぶ時間をかけて戻ります
気をとりなおして出発
北沢峠から登ってくる大勢の登山者とすれ違う
みなさん空身で楽ちんそうです
駒津峰からの甲斐駒ケ岳
仙水峠まで下ったら早川尾根方面へ
道ひとつ逸れただけで喧騒が遠のく南アルプスらしい静かな樹林帯
急坂を登りきって栗沢山に到着
南アルプスが一望できるすてきなところ
数年前に北岳から目の前に横たわる早川尾根を見て歩いてみたいと思った
今その尾根から北岳を眺めていることがうれしい
雲に飲み込まれそうな稜線を歩いてアサヨ峰へ
早川尾根最高峰の眺めを堪能します
ここから先はふたたび樹林帯の道
ひっそりと静まりかえった登山道を少し不安になりながらひた歩く
ようやく早川尾根小屋に到着
かわいいわんこがお出迎えしてくれました
テント場の受付に行くと小屋番さんが冷たい麦茶を出してくれた
いっきに飲み干すと生き返るような思いがします
そんなに広くはないけれど平らで水が豊富なテント場
やっぱり南アルプスはこうでないとね
途中追い抜いて行ったランナーさんが休憩していました
聞けばこの日のうちに夜叉神峠まで下る予定だとゆうから驚きました
さらに今朝早く黒戸尾根から出発したと聞いてもう驚きを通り越して笑えてくる
健脚とゆうよりなにか別の生物なんじゃないでしょうか
仙水峠から出会った登山者はわずか数人とゆう静かな尾根道
この日の早川尾根小屋のテント場は7張でした
そのうちわたしを含めて4張が単独女子!山ガールに人気の早川尾根です
展望がない小屋なのでそそくさと就寝
しかし19時頃ペグを打つ音であっさり目が覚めた
遅く到着した時は静かに幕営しよう
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2時起床
予定通りの4時出発
夜が明ける
本日も晴天なり
地蔵岳のオベリスクが少しずつ近づいてきました
赤抜沢ノ頭に荷物をデポして地蔵岳へ
以前はガスのなか歩いた鳳凰三山
オベリスクのてっぺん直下まで登って眺めを堪能する
ザックをデポしたところに戻ろうとしてまた帰り道を見失う
派生した別の道に入ってしまい観音岳よりの尾根に出てしまいました
デポしてピストンがうまくできない・・・
気をとりなおして出発
観音岳をめざして白砂の道をゆく
観音岳から圧巻の一枚
この縦走で歩いたすべての稜線を見わたす
賑わう山頂をあとにして最後のピークへ向かう
ついに薬師岳の山頂に到着
はじめから終わりまでとにかくよい天気だった
こうゆう縦走は望んだからってそうそうできるもんじゃない
歩きながらずっと幸せでした
青空を目に焼きつけて下山道へ
青木鉱泉の商魂により道を見失うことはない
鬱蒼とした樹林帯をひたすら下り車道歩きでふくらはぎが限界を迎えました
青木鉱泉で温泉に入り韮崎駅行のバスに乗って帰路につく
さて来週はどこに行こうか
夏はまだこれから
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日本三大急登とも言われる黒戸尾根。竹宇駒ケ岳神社から甲斐駒ケ岳の標高差は2,367Mだそうです。ただとても歩きやすい道なので、ゆっくりでも時間をかけてでも歩き続ければ必ず目的地に到達できるとゆう縦走の醍醐味を味わうことができます。黒戸尾根はもちろん、早川尾根も南アルプスらしい静かな尾根道でした。甲斐駒ケ岳も鳳凰三山も人気の山ですが、このふたつの尾根はそれらのすぐ近くにありながらどこか人を寄せつけない雰囲気があります。そして森林限界を越えて現れる眺望のすばらしいこと。青い空がいつまでも記憶に残る縦走となりました。
参考タイム
1日目:駐車場(0:15)竹宇駒ケ岳神社(2:00)横手・白須分岐(4:00)七丈小屋
2日目:七丈小屋(2:00)甲斐駒ケ岳(0:30)摩利支天(1:50)仙水峠(2:20)アサヨ峰(1:50)早川尾根小屋
3日目:早川尾根小屋(3:50)地蔵岳(1:20)観音岳(0:20)薬師岳(3:10)青木鉱泉
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