よく晴れた8月の日曜日、ふたたび軍刀利沢にやって来た
ひとりで行ける沢を探してたら会社の人に言われたのです
新しい沢より軍刀利沢にもう一度行ってみたら?
それいいじゃんそうしよっと
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武蔵五日市駅からバスに乗って南郷へ
脇道に入るとすぐに林道らしきものが続いている
これが矢沢林道でよいのかなあ
迷っていると地元のおじいちゃんが声をかけてくれる
この道は矢沢っちゅうところに行くやつだ
じゃあこれが矢沢林道ですね
おじいちゃんにお礼を言って歩き始める
ルート120には落合橋まで約20分とあったけど10分ほどで到着
見憶えのある風景に心が少し落ち着く
勢いでひとり来てしまったけどとても不安だった
縦走だろうが日帰りだろうが山に入る時はいつだって怖い
だけどそれらをはるかに凌ぐ畏怖
橋の少し手前とすぐ脇に車が停まっていた
そのまま橋を渡って30分ほどで入渓地点に到着
入渓点を見失わなくてよかった
これ第一の核心です
いざ出発
かわいらしいゴルジュを抜けてゆく
幅広2M滝
3×4Mナメ滝
5M逆くの字滝で先行パーティと出会う
先に行かせてくれたのでお礼を言って先に行く
このあたりから頭の裏側が痺れはじめます
どうしようもなく楽しくなってきてアドレナリンが浸透する
8Mナメ滝
大滝2段15M
まったく歯が立たないので前回と同様に右から高巻く
トラバースはもちろんクロスで
と思ったらとりつきにカエル!
てゆうか前回も同じところにいたよね
まさか同じケロリン?もしかして王子ですか?
最後の10M 滝
前回は高巻いたこの滝にとりついてみる
途中から巻くつもりでいたら残置ハーケンを発見
それに手をかけたが最後もう戻れなくなった
ガバどこ?ガバどこ?と絶叫しながら登る
下は岩だしロープもないのに攻めすぎました
この日いちばんのハイライト
しばらく放心したままちゃぷちゃぷ歩く
左俣を見送り詰めてゆく
三国峠に到着
CTよりだいぶ早かったので少しずれたかもと心配だった
ちょうどのところに出られて第二の核心もクリア
そのまま生藤山へ
軍刀利神社で無事にここまで来れたことのお礼参り
浅間峠を経て上川乗に下山しバスで数馬の湯へ
実は入渓した時からずっとつま先が痛かった
バス停で靴を脱ぐと中からふやけた乾燥剤が出てきてびっくりする
生藤山でも靴を脱いだのにせめてその時に気づきたかった
どおりで痛いわけだよ
温泉で汗を流して特急バスで武蔵五日市駅へ
渋滞で到着が少し遅れたけれどそんなの気にしません
ひとりの沢がこんなに楽しいなんて思わなかった
はじめての登山のあとに感じた脱力にも似た充足
もう二度と味わうことはできないと思っていた
だけど今それとかなり近いものに身を委ねるている
アドレナリンが浸透する
闘争か逃走か
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滝が途切れることなく続き、そのほとんどがロープなしで登れる楽しい沢。詰めもわりと苦労せずに稜線に出られるのがうれしい。最後の10M滝は通常は巻くようですが残置ハーケンがあります。
参考タイム 南郷(0:10)落合橋(0:30)軍刀利沢出合(2:00)三国峠(0:05)生藤山(1:50)上川乗
参考グレード 1級上/III 東京起点沢登りルート120
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