ほんとに行けるのか直前まで不安でいっぱいだったけれど
きらきらの清流と青い空が最高の沢旅を演出してくれた
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ゆうさくさんの運転で前夜発
関越自動車道の小出インターに直結している響きの森公園で仮眠をとる
翌朝は車窓から見える日本海が遠くに来たことを実感させてくれた
9時半頃ようやく折立に到着
お盆休み後半とあって駐車場に入りきらない車が道の両脇に列をなしている
運よく登山口からすぐのスペースを確保することができました
いざ出発
この登山道は下ったことしかなかったけど登りがこんなにしんどいとは思わなかった
朦朧と登っていると薬師岳が見えて少し元気になります
遠くから雷鳴が聞こえてきましたが急げるわけもなく
ただいやだなあと思うのみ
ようやく太郎兵衛平が見えてきました
太郎屋平小屋の脇に水場があったので飛びついてがぶ飲み
水分不足だったようで水を飲んだらがぜん元気になりました
まさしく命の水です
太郎兵衛平からの眺め
写真だとわかりにくいですが北鎌尾根のギザギザが見えました
明らかにほかの山並と様相が異なり魅きつけられます
薬師峠キャンプ場までもうひとがんばり
いっきに下ってカラフルなテントたちの仲間入りです
夕立が心配でしたが降られることもなく20時就寝
真夜中ふと目が覚めたのでテントの外に顔を出すと頭上に満天の星空
白い靄のような天の川と瞬くように光る一筋の流れ星
赤木沢遡行の無事を祈って眠りにつく
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翌朝は4時起床
いよいよ赤木沢に向けて出発です
昨日は見えなかった槍の穂先がちょこんと見える
太郎平小屋からトラバースの道に入る
なにげにゆうさくさんと沢に行くのはわたしの沢デビュー以来
彼と出会わなければわたしは縦走しか知らない登山者だったでしょう
薬師岳の稜線から朝日が昇る
空の青さが増して晴天を予感させます
2時間ほどで薬師沢小屋に到着
テラスの脇にかかるハシゴをつたって河原に下ります
黒部川奥ノ廊下を徒渉しながら南下する
水量が多い時は泳ぐこともあるそうですがこの日は胸くらいまでの深さ
黒部の清冽は真夏でも身を切るような冷たさです
徒渉を繰り返しながら1時間ほどゆくと前方に滝が見えてくる
黒部川本流唯一の滝で高さは3Mほど
突破できるらしいけど水量が多いうえに釜が深そうなのでまき道へ
流れが穏やかになり左岸から赤木沢が出合う
うっかりしてると見落としてしまいそうなほど控えめな出合
人気の沢なのにちょっと拍子抜けしてしまいます
へつりながら入渓
すぐに端整な2段10M階段状の滝がわたしたちを迎えてくれた
エメラルドグリーンの釜ときらきら輝く水しぶきが青い空に映えて美しい
いったい誰がこんなすてきな場所を見つけたんでしょう
10Mナメ滝
前方の滝がちらりと見えてはやる気持ちがかきたてられる
4段連続の滝
1段目はしぶきのなかを直登
2段目は左岸のまき道を
3段目はゆうさくさんの遊び心でトライ
とりつきで足がつかずに渾身のヒールフックであがります
ホールドが豊富なので難しいことはありません
4段目は花が乱舞する美しいまき道をゆく
3段8M滝
2段13Mトイ状の滝
階段状の小滝が美しい渓相とともに続く
4段20M階段状の滝は好きなところを好きなように
さりげなくもうひとつ20M滝
そしてついに2段40Mの大滝が姿を現す
断崖を背に垂直に落ちる様は見ごたえがあります
左岸の灌木帯を高巻きますが傾斜がきついのと高さがあるのでちょっぴり怖い
ロープは出さずに登りましたが後日ゆうさくさんは出すべきだったと言っていました
高巻いたところで先行パーティーの方々が休憩していました
最高のコンディションですねと声をかけられたのですがまさにそのひと言に尽きます
こんなにすばらしい天候に恵まれてこれ以上の日はないんじゃないかと思わせてくれる
ちなみに同じ日に入渓していたパーティーはたくさんいたと思われます
けれど出会ったのは3パーティーだけだったので特に気になりませんでした
そのあともいくつか小滝を越えてゆく
そのうちに沢筋が細くなってくるので赤木岳に続く左岸の枝沢に入る
ところどころ苔むした岩が現れ源頭が近いことを知ります
緑の弧を描いたような稜線と裏銀座の山並
やがて水流がなくなります
そして草原に出ます
沢筋なのか踏み跡なのかよくわからない細いうねりに沿って登る
コバイケイソウが咲き乱れるお花畑の詰め
ついに稜線に出ました
赤木岳と2575Mピークのちょうど真ん中あたりでしょうか
折立からの長い長いアプローチを経ての入渓
青い空を背にした清流の美しさとお花畑の草原を詰めるフィナーレ
終わってしまった淋しさと稜線に出られたうれしさが交錯します
そして人が足を踏み入れることのできる場所なんてほんの一部なんだなあという思いが湧きあがる
いつも感じていたことだけど自分のかすかな足跡をふり返ってあらためてそう思うのです
沢のあとは贅沢な稜線歩き
のっぺりとした赤木岳、さらに北ノ俣岳へと道が続いてゆきます
祝杯のビールを購入してすがすがしい気持ちで薬師峠に戻ってきたのですが事件勃発!
なんとテントの脇に置いておいたゆうさくさんのストックがなくなっていたのです
テントのなかもまわりも探したけれど見つからない、これってまさか盗まれたってこと?
なくなったこともだけど山に登る人がそうゆう行為をするとゆうことを知ってしまい悲しい
表銀座とかならともかく薬師岳なんて生粋の山好きしか来ないと思っていたのに・・・
こうゆうことが起こってしまいほんとに残念だし怒りがこみあげてくる
せっかく楽しかったのになんだかケチをつけられたようでがっかりな気分
言いたいことはまだたくさんあるけどいったん忘れることにして乾杯
ゆうさくさんが買ってきてくれたご褒美ゼリーに舌鼓を打ちます
ふと見憶えのある人が目に留まる・・・みわちゃん?
世間は狭いとゆうけれどまた山で知り合いに会ってしまいました
清水さんとふたりで雲ノ平から裏銀座をぐるっとまわる予定とのこと
それにしてもこの人は山でも都会でも格好が変わりませんな
のろのろしていたら夕食が遅くなってしまう
21時頃ようやく就寝
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最終日はのんびり4時半起床
疲れていたのか朝までぐっすりでした
本日も晴天なり
有峰湖の青い水面が旅の終わりを告げている
3時間ほどで折立に到着
長いと思っていた3日間もふり返ればあっとゆう間でした
白樺ハイツでお風呂に入ったら富山の市街地へと車を走らせる
もうひとつのお楽しみは富山の回転寿司
食べログで評判のよいすし玉とゆうお店に行ってきました
お昼時とゆうこともあり30分ほど並んだのですが大満足のおいしさ!
富山湾の朝採れネタをかたっぱしから注文して食べ尽くしました
白エビと安くておいしいふくらぎとの出会いが衝撃でした
そのあとは時に渋滞に巻き込まれながら帰路につく
ゆうさくさん、長時間の運転お疲れさまでした
有磯海SAで見た日本海の空
もう少しだけ赤木沢の余韻に浸っていたいのに
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目に映るものすべてが美しく、特にいくつかある均整のとれた階段状の滝はすばらしい。そして晴れた日に遡行してはじめてこの沢の真価がわかるのだと思います。青い空とのコントラストは言いようのない美しさです。青空があってこそ美渓と称される沢になり得るのだと言っても過言ではないでしょう。たった数時間の遡行ですが、長いアプローチも長い下山も決して無駄ではありません。
参考タイム
1日目:折立(3:35)太郎平小屋(0:20)薬師峠キャンプ場
2日目:薬師峠キャンプ場(2:05)薬師沢小屋(1:15)赤木沢出合(3:45)稜線(2:05)太郎平小屋(0:20)薬師峠キャンプ場
3日目:薬師峠キャンプ場(0:15)太郎平小屋(2:40)折立
参考グレード 2級/III- ヤマケイ入門&ガイド 沢登り
同行者 ゆうさくさん
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